巨大なダイヤモンド原石が相次いで発見される理由

ダイヤモンド業界ニュース

ルカラ・ダイヤモンド社がボツワナ・オラパ近郊のキャロエィ・ダイヤモンド鉱山で、223ctハイ・ホワイトの原石を発見したと発表した。
キャロエィ・ダイヤモンド鉱山では2018年以降127ct、240ct、223ctの3つの巨大な100ctを超える原石が立て続けに発見された事になる。

ルカラ・ダイヤモンド社ニュースリリース
http://lucaradiamond.adnetcms.com/newsroom/news-releases/lucara-recovers-223-carat-high-white-gem-diamond-from-karowe-122765/

最近、世界中の主要なダイヤモンド鉱山から巨大なダイヤモンド原石が相次いで発見されるケースが増えてきている。

もちろん偶然ではなく採掘現場の技術革新がその背景にある。
最近導入されているダイヤモンド鉱山の新しいテクノロジを調べてみた。

COM XRT

この新しいテクノロジが巨大な原石の発見に大きく貢献している。
XRT(X線通過技術)とは、ダイヤモンドが他の鉱物と比べて極めて少ないX線吸収率を持つという鉱物特性を利用し採掘した鉱石を租選別する技術。ノルウェーのトムラ社によって開発されたCOM XRTは、キンバライトに覆われたダイヤモンド原石でさえ発見可能。キャロエィ鉱山でまず試験運用され、絶大な効果が実証された事から世界の主要な鉱山で次々導入され、巨大なダイヤモンド原石発見に大きく貢献している。最近のバリエーションでは、メレーサイズの租選別にも応用されている。

GPR(地中レーダー)

地下の10cm大の小さな異常値を発見する事ができる。異常値が直接ダイヤモンド原石というわけではないが、ダイヤモンド原石が眠っている可能性がある採掘地点を高確率で割り出す事ができ、その地点を採掘する爆薬を高精度で仕掛けられるようになったのは大きい。最先端の技術では2.5cm大の異常値まで発見する開発が進んでいる。

RFID(無線識別)

地下採掘では作業エリアが狭く暗いため、手当たり次第に爆破した鉱石を掻き集める事は難しい。また、爆発地点の真下のボイドに落下した鉱石がどこに行ったのかを追跡することも難しい。RFIDは、爆破前にRFID等の計器を岩石に挿入して準備し、爆破させ、RFIDと一緒に鉱石を吹き飛ばす事により、爆破後の飛散状況を高精度で追跡し、飛散パターンを割り出し、効率よく爆破した鉱石を回収する事に大きく貢献している。

MCS(マグネリンク磁気通信システム)

地下では電波による無線通信が難しい。ダイヤモンド原石採掘が露天掘りから地下採掘へと移行するなか、地下での通信は非常に重要になってきている。MCSは電波ではなく電磁波を使った無線通信方法で、最大600mの岩盤を超えて送受信できるようになり、高度なハイテク技術が地下奥深くで運用できるようになった。

コマツ930E

コマツ930E:世界最大級のダンプトラック自律制御型。
小学生7400人を乗せる事ができるほど巨大な搭載量。しかも無人ダンプトラック運行システム(AHS:Autonomous Haulage System)を搭載。鉱山内にある管制室から無線を使ってトラックを操縦することで、人的の負担を減らし危険から守ることができる、また、GPSで常に自分や回りの車の位置を確認しているので、ダンプ同士や積み込み機(油圧ショベル、ホイールローダー)とぶつかる心配もない。走行中、人や建機が近づいても、障害物センサーで察知し緊急停止する。
ダイヤモンド採掘企業リオ・ティントでは1200km離れたオフィスから930Eを何台も遠隔操作し、365日24時間休みなく稼働させている。爆破した鉱石を効率よく運び出せるようになった事も、巨大なダイヤモンド原石発見に影ながら貢献している。

最後に

ダイヤモンド原石の採掘そのものの技術は、この30年間全く進歩がなく、岩盤を爆破する方法しか行われていない。この点は、天然ガスや原油等、最先端の採掘技術から大きく遅れている。

もっとも、ダイヤモンド原石をピンポイントで地中から掘り出す事は極めて難しく、また、新たな巨大ダイヤモンド鉱脈がなかなか発見できない現状を考えると、現在稼働している鉱山を延命させる事が必須となっている。

そのために採掘の効率アップに資金が投入され、革新的な新技術が次々と導入され、その副産物として巨大なダイヤモンドが発見されるようになった。

特にX線検査のCOM XRTが絶大な実績を上げている事から、租選別時の技術向上にさらに拍車がかかると思われるため、今後、巨大なダイヤモンド原石が発見されるケースがますます増える事になりそうだ。

TDE WEBマガジン編集部

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